日 時: 2010年10月22日(火)16:00~17:30
場 所: 青山学院大学 第15会議室
テーマ: 「地上放送局とBSデジタル放送局の番組編成 -メディア所有は、コンテンツの多様性を低下させるのか?-」
発表者: 大妻女子大学 浅井澄子
内 容: 2010年8月の1週間の番組表データから、地上放送局のNHK総合チャンネル、5つの在京キー局、NHKのBSデジタル放送3チャンネル、在京キー局と出資関係がある5つのBSデジタル放送局、計14チャンネルを対象とする番組編成の実証分析結果が報告された。その主要な結果は、以下のとおりである。
①地上放送局では、少数のジャンルに多くの放送時間が割り当てられており、垂直的多様性は、かなり低い水準にある。
②NHKのBSデジタル放送の3チャンネルでは、重視するジャンルがそれぞれ異なり、チャンネル単位の垂直的多様性は低いが、ジャンルの重複が少ないため、3チャンネルを集計した垂直的多様性は大幅に向上する。
③民間のBSデジタル放送局では、ドキュメンタリーや旅行・紀行番組が多く、在京キー局で重視される番組ジャンルとの重複は見られなかった。また、ドラマや映画は、地上放送では日本の作品、BSデジタル放送では、日本の作品の他、韓国や米国の作品が放送される比率が高く、地上放送とBSデジタル放送間で、チャンネルの使い分けがなされている。
④地上放送局6局の水平的多様性は3.3と低く、番組ジャンル数が2の時間帯も存在するが、そのような曜日の時間帯であっても、BSデジタル放送局を含めると、視聴者が選択可能なジャンル数は、5~8に拡大する。垂直的多様性及び水平的多様性の双方から、地上放送局にBSデジタル放送が加わることで、多様性は大きく向上することが示される。
⑤2つの放送局の差別化の程度を測る乖離指数では、NHKのBSデジタル放送局の3チャンネル間、地上放送局と出資関係のあるBSデジタル放送局間で乖離の程度が相対的に大きいことが示された。一般に資本関係を有する企業間では、同一生産物を生産し、規模の経済性を追求する行動と、消費者の奪い合いを避けるため、製品を差別化する行動のいずれかが想定されるが、放送市場の場合は後者のケースが当てはまると解釈される。地上放送局とBSデジタル放送局間の所有規制は、多様性を確保するための規制であるが、多様性を番組ジャンルで測る限りは、規制効果について再考の余地があるだろう。
(文責 浅井)
日 時: 2010年9月7日(火)16:00~17:30
場 所: マルチメディア振興センター 3階大会議室
テーマ: 「電波政策を考える -理論的整理と我が国への示唆-」
発表者: 湧口清隆氏(相模女子大学准教授)
概 要:
電波政策に関するこれまでの経済学研究を 1:1950年代のテレビ局の免許付与問題、 2:1960年代の周波数オークションの考え方、 3:1970年代から1980年代の電気通信市場における規制緩和と電波政策、 4:1980年代から1990年代の周波数オークション問題、 5:1990年代末から2000年代前半のIMT2000と周波数オークション問題、 6:2000年代の周波数共用型の無線通信技術、 7:周波数の排他的利用と共用のバランスの7つに区分し研究の概要とその変遷について報告が行われた。
これらの研究の進展を踏まえ、我が国の政策への示唆について報告がなされた後、出席者とともに、電波政策に関する活発な議論が行われた。 (文責 浅井)
日 時: 2月12日(金)16:00~17:30
場 所: マルチメディア振興センター 3階大会議室
テーマ: 「地上テレビ放送局の番組編成」
発表者: 浅井澄子氏(大妻女子大学教授)
概 要:
厳しい経営環境下に置かれている最近の地上放送局は、視聴率が獲得できる番組制作や、効果的な時間帯への番組配置に一層の注意を払うようになっている。
ここでは、NHK、在京キー局5局、独立局のテレビ神奈川の番組表から、垂直的・水平的多様性の指標を使い、放送局が番組編成に当たって、どのように差別化を図っているのかを実証分析する。
第2回研究会報告
(本研究会は慶應義塾大学のIPTV研究会との共催)
日時:平成21年7月17日(金)17:00~19:00
テーマ:「台湾と中国のIPTV政策」
報告者:劉幼利氏(台湾国立政治大学教授)
※発表は英語で行われます。
会場: 慶應大学三田キャンパス大学院校舎8階会議室
日時:平成21年6月28日(日)11:00 ~12:00
テーマ:「
伝統的な世界の映像コンテンツ政策-今後のコンテンツ・レイヤーへの政策的応用を求めて-」
報告者:菅谷実(慶應義塾大学) 中村清(早稲田大学) 内山隆(青山学院大学) 湧口清隆(相模女子大学)
小泉真理子(京都精華大学)
司会:浅井澄子(大妻女子大学)
会場:桜美林大学(学会大会)
<2008年度>
日時:平成21年1月30日(金)17:00~19:00
テーマ:「Multi-Sided Market理論のメディア・コンテン ツ産業への応用」
報告:生貝直人(慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構RA、東京大学大学院学際情報学府博士課程)
会場: 慶應大学三田キャンパス大学院校舎8階会議室
日時:平成20年5月30日(金)18:30 ~
テーマ:「NGNのプラットフォーム機能とTwo-Sided Markets理論」
報告者:福家秀紀(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授)
会場: 慶應大学三田キャンパス大学院研究棟8階 会議室
報告:
Rochet and Tirole(2006)によると、本報告の‘Two-Sided Markets’とは、「プラットフォームが最終利用者間の相互作用を可能とし、両サイド(タイプの異なる2組)の顧客に対して適切な課金の仕組みを適用することによって、両者を参画させるような市場」である。
はじめに、本理論に関する先行研究が紹介され、具体的事例としてクレジット会社、放送の広告モデルの事例などが紹介された。その後、表題のNGNの戦略を本理論の視点から明らかにした。 その後、活発な討論が展開されたが、主な論点は以下の通りである。
本理論で用いられている外部性とネットワーク加入者の外部性との差異。
本理論で用いられるプラットフォーム概念とNGNにおけるプラットフォーム概念との差異。
コンテンツ配信市場におけるマルチ・ホーミング(複数のプラットフォームへの加入)の可能性。
本理論に基づくNGNのプラットフォーム機能の料金設定の可能性。
プラットフォーム機能とエッセンシャル・ファシリティの関係。
本理論の一般的な適用可能性。特に、顧客の数がクリティカル・マスに達し、プラットフォームが自律的な成長を開始するまでの戦略としての有効性。