情報通信学会のイメージ画像です

情報知財研究会


主査:鈴木雄一
幹事:玉井克哉


研究会主旨:デジタル技術、ネットワーク技術に代表される情報通信技術の進展に伴ってコンテンツの流通形態が多様化し、著作権法をはじめとする知的財産法制はさまざまな対応を迫られている。この研究会では、情報通信技術の進展により具現化しつつある「通信と放送の融合」といった局面に、知財法制、知財政策がいかに対応すべきであるかを研究し、高度情報通信社会におけるコンテンツの円滑な流通の在り方を探る。

2011年度 第3回情報知財研究会報告

日時: 2011年12月15日(木) 18:30~20:30
場所: 東京大学先端研知的財産権大部門丸の内分室
    
(東京駅八重洲側新幹線日本橋口直結のサピアタワー8階)
テーマ: 「リーチサイト問題とサイト運営者の責任」
発表者: 安田 和史 氏(株式会社スズキアンドアソシエイツ・電気通信大学)
       鈴木 香織 氏(株式会社スズキアンドアソシエイツ・電気通信大学)
       清水 利明 氏(電気通信大学)
報告趣旨: 2011年度第3回研究会は、電気通信大学・産学官連携研究員の安田和史氏、鈴木香織氏、清水利明氏をお招きして行われた。今回は、「リーチサイト問題とサイト運営者の責任」というテーマで、リーチサイトの問題点、リーチサイトの具体的な機能、リーチサイトの実態調査、法的な対応可能性などについて報告がなされた。
 まず、リーチサイトは、侵害コンテンツそのものを直接的には掲載していないものの、侵害コンテンツへのリンクの提供を行うことで、違法コンテンツの拡散機能を有している点に問題があることが指摘された。リーチサイトにより、違法コンテンツ拡散機能が階層化し、従来の検索による削除システムでは対応が難しい点に問題の根深さがあるとのことであった。
 その後、リーチサイトを「検索エンジン型サイト」と「まとめ型サイト」に類型化した上で、具体的なリーチサイトの機能が紹介された。その中で、リーチサイトは犯罪性の強いものから合法的なサービスもあることから、実態調査の必要性があることが指摘された。そして、実態調査技術について報告がなされ、侵害コンテンツへのリンクの有無だけでなく、リーチサイトの操作手順や収益構造、サイトへのアクセスの属性などについての調査がなされているとのことであった。
 最後に、リーチサイトへの法的な対応可能性について、単なるリンクということであれば著作権侵害とは言えないが、実態調査によりサイト運営者の分析が進めば、リーチサイト運営者とアップローダーが同一である等、直接侵害と擬制しうる可能性があると指摘された。
 報告終了後は、参加者の間で非常に活発な質疑が行われ、コンテンツホルダーによるリーチサイトへの対応の現状や、リーチサイトの合法化の可能性等が議論された。