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情報通信文明史研究会


主査:押田榮一
幹事:中野幸紀 松田裕之

研究会主旨:情報化社会、ICT時代といわれるがそれは突然出現したものではない。 人類の長い文明発展の積み重ねの結果であろう。電信士、電話交換手、プログラマー、ICTベンチャーなど情報通信に携わる仕事は常に時代の先端を歩み、花形、憧れであった。『温故知新』すなわち過去の経緯を知り、現代を理解し、未来を洞察する。先人の足跡を手繰り、個人の技能の磨き方、生き甲斐を知り、そこから現代・未来への生き方を見つけるべく、発表者の研究成果を中心に討議に重点を置きたい。長期的には「情報通信文明史」の確立を目指し、共同研究の形で信頼性の高い「年表」も編んでみたい。

第3回情報通信文明史研究会報告

日 時: 2011年11月22日(火) 15:00~17:00

開催場所: 郵便事業㈱ 新大阪支店
大阪市此花区島屋4-1-18 (JRゆめ咲線安治川駅 駅前 )

テーマ:「郵便番号自動読取区分機等見学会」

参加者:13名

報告要旨:前回の「我が国における郵便事業」に続き、現在の最新設備の見学会を郵政事業㈱さまのご好意で持つことが出来た。
・まず、日本郵政グループの今期中間決算の概要を支店長から伺って郵政の現状の理解    を新たにした。

・西日本郵便ネットワークの拠点として、敷地は甲子園球場の約6倍、建物も11万㎡、作    業員2.400名で一日平均郵便300万通、ゆうパック20万個を捌くと聞きその膨大さに驚    かされる。通信といっても物流でありあたかも工場であり、ISO14001も取得しているとい    う。
・郵便事業にICTがどのように寄与しているかの事例として郵便番号による書状区分機を    見学する予定であったが、大型郵便物の区分機、小包区分機、さらに航空保安対策の    X線検査機まで多用な最新機器を見学することができた。

・見学の会員も、機器の構造から、深夜作業の服務管理、さらに広報のありかたまで質問    も多岐にわたり極めて密度の高い見学会となった。
・年末のお歳暮、年賀状への準備の超繁忙期に入る直前、親切・丁寧な案内を頂き一同    大満足で会を終えた。 (押田 記)



第2回情報通信文明史研究会報告

日 時: 2011年11月4日 (金) 14:00~17:00

場 所: 関西学院大学 梅田キャンパス 
大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー10階 1003教室
テーマ: 
「我が国における郵政事業」
      今年創業140周年を迎えた「郵便」を採り上げる。
    1.
東日本大震災と郵政事業
    2.日本近代郵便の創設及び確立と官営化
      -郵便が国民に身近な通信手段となるまで- 
発表者: 1. 押田 榮一 (情報文明研究所)
       2. 田原 啓祐 (大阪経済大学 日本経済史研究所)

報告要旨: 
1.東日本大震災と郵政事業


 地震、津波、放射線と重なる今回の災害について情報通信がどのように機能したかの報告は多くあったが「郵便」についてのレポートは少ない。 48人の犠牲者を出し、建物被害も274局に及び、設備等も区分機3、車両470台、ポスト被災も528と悪条件の中、通信事業としての使命に燃えて配達を続けたが、マスコミ報道なども少ない。
飛脚の時代から、単に郵送するだけではなく、火災などの情報を集め印刷するなど「情報センター」としての役割を果たしていたなどの先行研究の成果も紹介した。

2.近代郵便の創設


前近代の通信事業としての烽火、駅馬、駅伝から飛脚にいたる経過。
宿駅制度の廃止から近代郵便制度の創設にあたって官営独占、均一料金制の成立の経緯について報告。郵便の父と呼ばれる前島 密も官営主義だけではなく一部を民間に委ねていたことなども紹介。公用通信のインフラとして発展してきた郵便は「官」から「民」への移行があっても「公」を 捨ててはならない、と結んだ。

 討論には前・郵便史研究会会長薮内吉彦氏も加わり、また、郵便事業会社の若手社員の参加もあり有意義な研究会であった。
また、郵便事業へのICTの参画という意味も込めて超最新式の郵便番号自動読取機の見学会を持つ方向づけもできた。