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(財)情報通信学会設立趣意書

コミュニケーションは、人間社会における最も基本的な社会過程であり、政治、社会、経済、文化などあらゆる領域において極めて重要な役割を果たし、人間生活のすべての側面において極めて重要な役割を果たし、人間生活のすべての側面に大きなかかわりをもっている。

コミュニケーションは、人間社会の発展とともに変化してきたが、近代社会の出現とともに、いよいよその重要性を増している。ことに、最近における情報化社会の進展とコミュニケーション技術の急速な進歩にともない、情報及びコミュニケーションは社会や人間生活のすべての分野で中枢的な機能を果たすとともに、その急速な変化を促す役割を担っている。

コミュニケーション技術の進歩は、情報化社会の進展にともなう必然的な要請であると同時に、社会に対しても大きなインパクトを与えている。それは、人間社会や人々の生活にいろいろな問題を投げかけていることに注目しなければならない。情報の氾濫、プライバシーや人権の侵害のおそれなど、コンピュータ化社会の諸問題が出現し、それらが社会に及ぼす影響は、はかり知れないものがあり、その解明は、目下の急務である。

一方、国際化の進展にともない、外国について正しい理解と認識をもつとともに、我が国に関しても正しい理解と認識を得ることが極めて重要となっている。同時に、情報流通の自由と均衡、コミュニケーション・インフラストラクチャーに関する国際間格差等の問題への取組が必要となっている。

このように情報及びコミュニケーションにかかわる領域は極めて広範多岐にわたっており、その諸問題の解明には、科学技術の分野のみならず、多くの社会科学の領域を含めた総合的、学際的なアプローチが不可欠である。と同時に、それらをふまえた新しい総合的なコミュニケーション政策の確立は、今日の極めて重要な課題である。

折しも、本年は、世界コミュニケーション年に当たり、世界各国で「コミュニケーションの発展に関する政策の深い考察及び分析を行うための機会とし、コミュニケーション・インフラストラクチャーの発展を促進する」こととされており、我が国においても、このための事業が積極的に発展されているところである。この機会に、我が国におけるコミュニケーションの発展を図るため、つぎの研究領域について、学際的かつ総合的に研究、討議し意見を発表する場として「情報通信学会」を設立することとする。

  1. 人間社会とコミュニケーションとの関連について、広く文明史的な視点から研究するとともに、特に情報化社会の進展とコミュニケーション過程のかかわりについて分析研究し、今後の社会に必要とされる通信ネットワーク、ニュー・メディア、データベース等のコミュニケーション・インフラストラクチャー発展のための方策について調査研究する。
  2. コミュニケーション技術の著しい進歩が社会や人間生活に及ぼすインパクトやそれに対する社会や人間の側の対応について調査研究する。
  3. 言論の自由の問題、情報の氾濫と偏在、プライバシーや人権の侵害、コンピュータ犯罪等、コンピュータ化された社会の諸問題の解決の方策について調査研究する。
  4. 国際的な情報秩序に関し、情報流通の不均衡、コミュニケーション・インフラストラクチャーの格差等の問題の解決の方策について調査研究する。
  5. それらをふまえて、急速に変貌しつつあるコミュニケーションをどのように位置づけ、どのように機能させるかを研究し、新しい総合的コミュニケーション政策を探求する。
  6. その他、コミュニケーションの発展が経済・社会・文化に与えるインパクト等について調査研究する。

会長あいさつ